『カモン カモン』
ひょんなことから始まる伯父と甥っ子との共同生活を描いたヒューマンドラマ。『人生はビギナーズ』、『20センチュリー・ウーマン』のマイク・ミルズ監督が自身の子育てから発想を得た作品。
現代の話ですが、全編モノクロ映像で綴られることでより柔らかな印象を残してくれています。
主人公を演じるホアキン・フェニックスが急に預かることになった甥っ子に戸惑いながらも、一緒に時間を過ごしていく中で絆を深め、生前の母親との接し方の問題でぎくしゃくしていた自身の妹との関係も修復していくという再生物語に温かな気持ちになりましたが、個人的にはそこまではまらなかったです…。
ですが、『ジョーカー』での怪演とは正反対の、子どもに優しく寄り添おうとするホアキン・フェニックスの温かい演技を観ているとこちらまでホッとしました😊
「なぜママと話さないのか」、「なぜ結婚しないのか」とホアキン伯父さんが答えにくい質問をぶつけてくる、甥っ子の容赦ない問いかけにはある種の恐怖を覚えました。誤魔化そうとしても次から次へと深掘りされるので、なんだか圧迫面接みたいで…。
「起きると思うことは絶対起きない。考えもしないことが起きる。」というセリフの力強さに思わず頷いてしまいました。だからこそ、自分を信じて前に進んで行くしかないと背中を押してくれているような気がしました。