福福吉吉

サイレント・トーキョーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)
2.5
◆あらすじ◆
クリスマス・イブの東京、テレビ局に爆破テロの犯行予告の電話が入る。テレビ局のスタッフが指定の場所へ赴き、ベンチに座っている女性と出会う。ベンチに爆弾が仕掛けられていることを女性から告げられたスタッフは女性と共に犯人の指示どおり動くが、それはデモンストレーションに過ぎなかった。犯人は渋谷に爆破予告をして、首相との対話を要求する。

◆感想◆
登場人物が多く、それぞれの行動を描いた群像劇として描かれており、ストーリー自体は犯人の爆破予告とそれに対して警察や政府、そして民衆たちが行動していくという軸があるため、理解はしやすいと思います。

しかし、群像劇として登場人物たちの描写について、その背景や心情など描写の深さにバラつきがあり、終盤に急に焦点が当たる登場人物については過去の描写をされても、それまでの情報が無いので感情移入や盛り上がりに欠けるように感じました。

また、本作において「戦争」がキーワードとなっているのですが、具体的な描写は終盤になるまで出てこないため、これも気持ちが盛り上がらずに終わってしまいました。

渋谷の爆破シーンはかなり迫力があって、爆破予告されているのにのこのこやって来て、スマホで動画をアップしている若者たちがぶっ飛ぶシーンは不謹慎ですが、どこか気持ちがスッとしました。

緊迫感のある展開で最後まで興味を持って観ることができましたが、ストーリーとしては終盤で一気に意味を持たせようとしたため、とても歪で説得力に欠ける作品でした。私としては可もなく不可もなしといった感じでした。

(備忘録)登場人物について

(1)来栖公太(井之脇海)
テレビ局の製作スタッフ。
(2)山口アイコ(石田ゆり子)
最初の爆弾テロのベンチに座らせられ、犯人の指示を受ける。
(3)世田志乃夫(西島秀俊)
刑事。今回の爆弾テロを追い続ける。
(4)須永基樹(中村倫也)
寡黙で感情を出さない青年。
(5)高梨真奈美(広瀬アリス)
会社員。合コンで須永と知り合う。
(6)磯山毅(鶴見辰吾)
内閣総理大臣。軍事力の保持を訴える。
(7)???(佐藤浩市)
思わせぶりに所々現れる。

鑑賞日:2023年11月27日
鑑賞方法:CS チャンネルNECO
(録画日:2022年12月24日)
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