ナラタージュほど話題性や見やすさはないのだが、ナラタージュで2時間に収めるために削られた、性愛と女性の心の乖離や行為や性的な視線によって傷つけられる、痛みを植え付けられる事など島本理生さんの描いている本筋が中心に据えて話が展開されていると思う。ファーストラヴの方が、好きとかそういう比べられる次元の話ではないが良かった。
見る事にここまで痛みが伴うのかという内容なので辛い人は無理しない方がいいかも。
気持ち悪さを体現し続けていながら作り方が上手く最後は泣き通し
少女の傷と叫びを徹底的に映し出しながらも、過去からの解放や許しを感じられる作品
子どもは守るべきものという聞き飽きた人には何度も何度も聞いた常識だが、守られない子ども達痛めつけ加害する大人、助けることのない大人が溢れる世の中で、この気持ち悪さと痛みを請け負う人が増えることを願う。
きっと助けて欲しい少女はずっとSOSを出しているけれど気づかれず気付かないふりをされる。
どうしたらこの少女は助かったことになるのか、こういう題材でどう終わらせるか難しいと思うが、見る側に爪痕を残しながらも救済のある映画。
