れもなぎと恋を

由宇子の天秤のれもなぎと恋をのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
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内容はもちろん重いけど、重いことを主張されすぎてむしろ何も考えられなくなってしまった。この内容はこういうスタイルも必要なのかもしれないけど、こうなってくると逆にファンタジックに感じてしまう。設定と演技がリアリティな方向性なのに、どこか御伽噺みたいな、グリム童話みたいな感じがした。

メモ的に。

「重い映画」について考える。
ディープな内容を扱っている映画なので、もちろん重たく苦しいものですが「重いものを重く伝える」のと「重いものをライトなタッチで扱う」のと違うと思っている。前者は内容のグロさとかネガティヴな部分を観客に感じさせて、気持ち悪い感情に持っていく感じ。今回の映画もそれで、すごいハンディカムにしたり、長回ししたりすることでさらに扱っている内容をどろどろとさせている感じ。後者は見た目は華やかで悲しみやグロさが感じられないのに、ストーリーや背景を考えるととても怖かったり逆撫でされる感情が生まれたりするイメージ。このスタイルは私は好きで、内容を思考する余裕が生まれる気がしている。怖いものを怖い部分だけではなく、対照的な華やかで明るい部分も加えることで、より浮き彫りにすることが大事なのではないか。。。