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アントマン&ワスプ:クアントマニアのタロウのレビュー・感想・評価

3.8
『ANT-MAN & THE WASP: QUANTMANIA/アントマン&ワスプ: クアントマニア』




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今や街を歩けば皆に声をかけられる程にまでなったスコット(演: ポール・ラッド)。アントマンとなって"アベンジャーズ"で活躍したことも記憶に新しく、愛するホープ(演: エヴァンジェリン・リリー)や娘のキャシー(演: キャスリン・ニュートン)と幸せな日々を送っていた。
しかしそれ故に、身勝手なキャシーの行動を見てられない。「人助けをしたい」という彼女の思いは汲んでやりたいが量子技術を使い込んでいる辺り、身を案じずにはいられない。何とか説得して普通の生活を送るよう促すが、キャシーが作ったとあるマシンにより一行は量子世界へと引きずり込まれてしまう、、
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 遂にMCUの新章・フェーズ5の幕開けだー!!🔥
記念すべき1作目はアントマン3。地上世界が主な舞台だった過去2作から、遂に量子の世界を舞台に征服者・カーンなるヴィランと対峙。既に制作発表されている『アベンジャーズ: カーンダイナスティ』にもその名があるように、彼がフェーズ5を象徴するヴィランとなることが決定。『エンドゲーム』でも大活躍だったアントマンが今回も新サーガにおいて終始重要なポジションになりそうで、その皮切りとして今作はかなーり大事な作品だったと思う。



 んー色んな意味で予想外だった!
まずはカーンのキャラクター。時間を超越してやりたい放題できる、っていう恐ろしい能力を持ってるし、出で立ちから表情から冷ややかで怖い。それでいて無造作に数多の命を奪ってきた冷酷さもあって、これはヤバいと思わせるキャラ、、だと思ってたし、実際そうだったんだけれど彼の「目的」が予想外。

 物語が進むにつれて、自分を量子世界へと追放した他の変異体への「復讐」心が如実に出てきて、どんどん人間臭くなっていく。キリッとしていたカーンが思い通りに事が運ばず追い込まれていくのは見ていて面白くもあったけれど、彼を絶対的な存在としてイメージしてた身からすると結構拍子抜けしてしまった感が否めなかった。アントマン&ワスプとの戦闘でも、2人が全く歯が立たなかった訳でもなく、、今作を見る前と見た後では、色んな点でカーンのイメージが大きく変わった。

 アントマンサイドはどうだったかと言うと「親子」の物語だった。スコットとキャシー/ホープとジャネットのやり取りを交互に見せながら、大切な誰かのために最後まで頑張る、決して見捨てない皆の姿が印象的だった。だったんだけど、何かもう一捻りあればなぁと思ってしまう。ハッピーエンドはもちろん嬉しいけれど、バッドでも何かもっとドラマが欲しかった。
 また今作は、キャシーの成長譚でもあった中でこっちも何か物足りなさが残る。彼女がヒーローとして一歩進むためのイベントとして、あの演説は印象的だったけれど、やっぱり物足りない。ベタかもだけど、量子世界の中で友達が出来て、敵の襲撃を受ける中でその友達を自分自身の失敗で失ってしまう、、とか。ちびっ子の時からヒーローとして活躍する父の姿を見てきただけに、その辺への憧れは並々ならぬものがキャシーからは感じられた。けれどそれが空回りして何度か警察のお世話になっちゃったりしてた訳で、、それだけに彼女が「力の使い方」とか「自分自身の力のなさ」とか現実を思い知る辛い展開があっても面白いんじゃないかな、と個人的には思いました。

 と、色々消化不良な点も多々あったもののやっぱり全体通して面白かった!これまで全容が分からなかった量子世界の様子は見ていて楽しいし、2つのポストクレジットも妄想が広がる、、!
 次は5月のガーディアンズ3。大期待!!

memo
・キャラ豊富な量子世界の住人愛おしい。千と千尋の神様たち見てるみたいな感覚になった笑
そういえば、ジャネットたちが変装するのに貰った服装もなんかナウシカっぽかったような、、要所にジブリポイント。
・ビルマーレイ出てくる時のBGMがなんか好きだ♪

◎印象的アイテム◎
・エネルギーコア
・キャシーの誕生日ケーキ
・『小さき者を見過ごすな』著: スコット・ラング
・ヴェブのトロトロ
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