むせ返るようなブラックミュージックの熱狂。気付けば足でリズムを刻んでいた。音楽は途切れることなく続く。時折入るラップが心地好い。
ショービジネス、そしてアメリカの光と影。政治と音楽。黒人と白人。ファンの愛と妻の愛。様々な要素を取り込みながらロックスターの怒涛の日々が描かれる。
「芸能人は政治に関わるな」とは日本でもよく聞くが、影響力のある人間には声を発する義務がある。それは欧米のキリスト教的発想からきているのかもしれない。すなわち「才能は神から与えられたもの=ギフトである」というもの。
黒人差別の激しい南部でそれまでの社会を破壊するような音楽をやっていたこの男も敬虔なクリスチャンの家庭で育っていた。だからこそギフトを信じられたのでは。
幼い頃に体験した音楽による恍惚を世界中の人々に分け与えた。エルヴィス・プレスリーの事は名前くらいしか知らないが、『伝道者』という印象を受けた。
目まぐるしい映画なので、登場人物を記憶する前に先に進んでいて「こいつ誰だっけ?」となってしまうことがあり、そこが少し残念。
でもガチで世界を変えようとした当時のヒッピーたちの思いみたいなものは映画の中にしっかりあって、そこは感動した。
下着がステージに投げ込まれたりとか、女性ファン一人一人にキスしたりとか、今よりずっと過激で、こんなライブあったらそりゃどハマりするだろうなと思った。握手会どころの騒ぎじゃないw気が狂うww
当時の本物の映像も見てみよう。