み

子どもたちをよろしくのみのレビュー・感想・評価

子どもたちをよろしく(2019年製作の映画)
3.3
あきた十文字映画祭にて。

監督・プロデューサーが現代の問題、いじめについて描きたかった、と強い希望でいじめをテーマにした映画を撮ることになったそう。

観てる間は胸糞悪いくらいなんでそんなことが平気でできるの?はあ?って何度も何度も思うのだけど、これがいじめの現実だって思ったらただただ苦しかった。
いじめられる側は全く悪くないし、いじめる側が120%悪いのだけど、他人を攻撃する加害者側にも抱える問題があって..。そこに視点を持っていった本作はすごいなあ、と思う。そもそも加害者に寄り添うなんてあり得ないし子どものいじめは理由なしに始まったりするもので理不尽なことが多いのに、加害者側にも何かあるのかも、ってちゃんとすべての子どもに寄り添おうとするのがすごい。

自分の感情を他人にぶつけることでしか表現できない子どもだっているし感情を表に出せない子どもだっている。そういう違いからいじめが生まれることもあるだろうし子どもに他人を理解しようなんて難しいのかもしれないけど、誰かが何かひとつ行動するだけで色んなことが変わるのに。

家庭環境は子どもの力だけではどうしようもできないものなのに学校の先生とか近所の人とか大人が見て見ぬ振りしたら子どもは人生諦めるしかないじゃん..。

いじめを根絶するのはかなり難しいと思うけど見て見ぬ振りだけはしないようにしようと思ったし、本作観た人々もそうであったほしいと思う。

ラスト、稔くんは最低最悪だけど偉かったと思うし、彼の未来が明るいことを祈る。
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