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バビロンのmonのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
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栄枯盛衰…
映画には人の生き様が焼き付けられている。狂騒の20年代とスクリーンの裏側がマッチして、煌びやかな世界のもつ異常さに気付かされる。

「映画とは何か」
その答えが詰まっている映画。チャゼル監督もこちら側なのよね。
記者エリノアの台詞がとても良い。
マニーと一緒に、私たち観客もスクリーンの中にいて嬉しくなっちゃった。
ちょっと長いけど、何度も何度もテイクを重ねる撮影過程を思うと、カット対象になりそうなシーンも愛おしく思える?さすがにカメラ10台も壊したり、エキストラのストが起きたりはしていないだろうけれど。マジックアワーのような魔法の瞬間に立ち会う擬似体験ができて、この上ない喜びを感じた。

もし20年代に生きていたら、きっとグレートギャツビーのニック、フィッツジェラルドのように狂乱の中にはいなかったろう。と思っていたら…トビーマグワイヤ出てきてビックリ!
「雨に唄えば」は勿論、「サンセット大通り」や「アーティスト」が見たくなった。
無声映画の監督、チャゼルさんの妻って…もうバビロンじゃん。一緒に夢追いかけてるのね。かっこいい…。

以下、好きなシーン。
✍️海辺の館で煙草に火をつけるマニー。
夢の始まりと高揚。
✍️廊下を歩くジャックの背中。漂う哀愁。
✍️ネリーの冒頭の踊り。スターの煌めき。
✍️フェイジューのジャックとの談話。
静かで美しい所作。
✍️黒塗り缶を見つめるシドニーの憤り。
✍️一つずつ明かりの灯る撮影スタジオ。
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