勇気Yuki

バビロンの勇気Yukiのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
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混沌と混乱と狂熱!

冒頭から爆音で、無軌道なスピード感でぶっ飛ばし、カメラもガンガン動いて、編集もテンポよくメリハリを効かせて、力ずくで観客を映画に引き込む。
あんなに人を動かして、ワンフレームに収める演出に、クレイジーさを感じ、唸った。

サスペンスとドタバタ・コメディーをチャゼルはリズミカルに編集し、この作品自体にダンスさせながらスピードを増していく。ほとんどのシーンが音楽によって駆動しているから、ミュージカルだった「LA LA LAND」以上にミュージカル的だった。
ジャスティン・ハーウィッツによる狂騒感溢れる音楽、そして魅惑のカメラワークも相まうことで、映画館全体が共にパーティーに参加しているほどの没入感!心の奥底を鼓舞された。

美しく汚らわしい作品が大好きだ。
世俗的な幸せと引き換えに、自己実現のため奔走し続ける人々の物語に、なぜか引き込まれてしまう。
アメリカン・ドリームやサクセスストーリーには代償が伴う場合がある。その代償や犠牲になるべきものに、光を当てる物語に泣かされるのである。
勇気Yuki

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