ぶぅ

ステップのぶぅのネタバレレビュー・内容・結末

ステップ(2020年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

題名の「ステップ」は、ステップファミリーのステップでもあるんだけど、登場人物全員の成長的な軌跡、それぞれの関係性の変化、、、いろんなものを含んでるんだな。

主役だけじゃなくて登場人物みんなを丁寧に描いているのに、わちゃわちゃした感じはしない。自然というか日常というか、敢えて言うなら非日常だったのはトモコが死んだことくらいだ。

その後のことは、困難も苦しみも迷いも全部、みんながそれぞれの形で抱えて生きているもの。だから共感出来るシーンが多いんだろうな。

ひとつもったいなかったのは、美紀が小学1年生の時のシーン。1年生はもっと子どもっぽいよね。美紀が環境のせいで大人びているのはわかるけど、知能的に大人びる訳ではないからあれは不自然。

このお話は超絶ハッピーエンド。
いや、ステップファミリーの難しさはむしろこの後なのかもしれませんね。
でも、出会う人周囲の人みんなが優しくて、美紀が小学校卒業まで無事に育ってくれた、深い感謝と感慨の物語。

悲しいことは乗り越えるものではなく、ずっと寄り添って一緒に生きていくもの。健一も美紀も、ナナさんも、義父母も義兄姉も、みんなそうやってここまで来たね。そしてこれからも。

原作、重松清なんだね。彼の人間表現力はさすが。
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