miwka

アンテベラムのmiwkaのネタバレレビュー・内容・結末

アンテベラム(2020年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ厳禁映画、との触れ込みだったので、わざと情報入れず、予告編も観ずに鑑賞。
正解でした。

導入部分のプランテーションの描写。
あ、これ時代物だったんだ、現代劇かと思ってた、なんて思っていたら…!!
見事に作り手の罠にハマり、真相の見えない闇の中にどっぷり放り込まれた。
真相が分かった時の驚きと快感も最高で、存分に楽しめた。

終盤は伏線回収が見せてくれる答え合わせをしながら、ジャンヌダルクの絵画の様な、美しく強い主人公の姿を堪能した。

思えば冒頭から違和感は多数あった。
綿花農場狭くない?
一度自由になったのに再び奴隷に?「遠い夜明け」みたいな話かな?
南郡が制圧し直した土地?そんな歴史知らなかった。
新しい名前?
この奴隷役の女優さん色白い。多分白人との混血?
ヴァージニア?ノースカロライナ?
主人公は有名人…?

綿花を燃やす場面で違和感かわ決定的になり、スマホ出現からは伏線回収になっていくが、それがストレートなエンタメで心地よかった。
「ゲットアウト」「アス」に通じる、超常現象に逃げない真相は、むしろ荒唐無稽で賛否あるかもしれないが、私は個人的に好きな展開だった。

思えば序盤のプランテーションのシーン、完全に過去の話&他人事として、かなり引いて観ていた。この映画は、そんな私に大きく自戒の念を突きつけてくる作品。
過去じゃない、他人事じゃない、当事者としてどんなに恐ろしいことかを考えろと。
現代を生きる私達に怒りをぶつけてくる、強烈なインパクトの作品だった。

38
11
322
miwka

miwka