まごー

ジョゼと虎と魚たちのまごーのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)
3.4
足が不自由なジョゼは、「外は危険だ!出てはいけない!」というお婆ちゃんの言いつけに従い、長い間、狭い家のなかに閉じ込められ、”お気に入りの本を読んで、部屋の壁に絵を描いたり”しながら生活していた。
いつか、きれいな海を見るのを夢見て。


そんなジョゼだったが、ある日、うっかり車いすのまま坂を転げ落ちてしまう。命の危機に直面したジョゼをとある青年が救う。
ジョゼは青年にあるお願いをする。
「海を見せてほしい」
二人のラブストーリーがはじまる。

冷静に考えたら、ジョゼ虎って超ベタベタなディズニープリンセスもののラブストーリーじゃん。塔の上のラプンチェルとあまりに似すぎてて笑ってしまうほど。

でもジョゼは24歳なんですよ。
本来であれば会社で働いたり結婚をしていたりするはずの年齢。
だから、ベタな展開は残念ながら訪れない。。。はず。。。
それが渡辺あや版のジョゼ虎だったと思う。今となってはそう思う。

でもこれはアニメ版。
声も絵も少女そのもの。
24歳っていう設定は残ってはいるものの、見ていくうちに自然とそんな設定忘れて、最後にはジョゼを「少女」として無意識に見ざるをえなくなってしまうそんな描かれ方がされている。

だから、個々の感想もジョゼを「女の子」って呼んでる人が多い。
実写のほうはそんなことないはず。。。少なくとも24歳という設定を忘れることはなかった。

こんな風にジョゼが徹底的に少女に徹してくれるおかげで、
見てる側は違和感を持たずに済む。


だから、ディズニーのプリンセスもののごとくストーリーはベタにそしてファンタジックにおとぎ話のように進んでいく。
最後まで破たんすることはない。
難しい問いと向き合う必要もない。
躊躇なく童話の登場人物と自分を重ねることができる。
素直に感動できてしまう。

ラストシーンだって、ディズニー映画そのものじゃん。
でも、これっていいことなのか、どうなのか。
それって現実から逃げてるだけじゃないの?

ジョゼ虎って結構この24歳設定の持つ意味が大きかったように思うので、そこにもやもやが残る。

って思ったけどどうでしょうか。
非常に映像の美しい素敵な映画でした。
クリスマスに見るのにうってつけです。

言い忘れてました!清原果耶ちゃんの声優っぷりは見事。改めてその天才っぷりを見せつけられて鳥肌たちました!
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