PERSPECTIVE

ウィズアウト・リモースのPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)
3.4
原作及びその他メディア化作品は全くの未見、ただステファノ・ソッリマ×テイラー・シェリダンという「ボーダーライン・ソルジャーズデイ」コンビの再来を祝っての鑑賞(シェリダン先生早くボーダーライン3作ってくださいお願いします)。

このコンビが選ばれたのは上記の作品がイメージとしてもつハードなアクションをうまく作れるからと認識されたからだろう。無論その認識に間違いはない。特にシェリダンの十八番である「銃絶対主義」的展開はハード以上に的確に表せる言葉はそうそうない。

しかしそういったアクションはソッリマが得意とする彼の父セルジオ・ソリーマが撮っていた70年代マカロニ映画に通ずる砂を噛んでいるような虚しさや、シェリダンが脚本に叩き込むその暴力をぶつける対象の社会性などがあって初めて100%発揮されるものだと私は考えている。

残念ながらこの作品でのコマンドーじみたやりすぎアクションと申し訳程度の社会性しかない大本では彼らの味は満足に出なかったと言い難い。無論そんな中でこのコンビは間違いなくいい仕事をしている。ぜひとも次は彼らの味が最大限出るような作品で逢えることを切に望むばかりである。
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