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名探偵コナン 緋色の弾丸のVANVANのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)
3.7
<超人家族大集合?映画>

名探偵コナンシリーズの最新作で人気キャラの赤井秀一とその家族が大集合。
興行収入100億円を狙えるコンテンツとあって映画館も気合が入って新宿のバルト9では1日13回上映とそこそこの田舎の鉄道よりもよっぽど頻度が高い。
初日の夜11時の回でも20人くらいは入っていた。

あらすじとしては、オリンピック的な大会が東京で開催されるのを機に誘拐事件が発生、時を同じくして真空超電導リニアが開通。
オリンピックと同時に新幹線が開通した前回の東京オリンピックとかぶらせているんでしょう。

コナン君は誘拐事件を追ううちにその超電導リニアにも乗ることになり、もちろんその列車は暴走する。大抵コナンの映画で乗り物がでてきたら制御不能になる。そしてそれをコナン君ががんばって止める。ただそれだけ。予告だけでもストーリーは大体把握できる。

話としては単純だけど随所にキャラクターの魅力を発揮する場面が次々と出て来る。本当に次々と事件が発生するので犯人を推理しているヒマはない。というかそんなことをさせるつもりは毛頭ないのだろう。
映画のコナン君はミステリー大アクション映画であって推理映画ではない。いつブルースウィルスがでてきてもおかしくない。

不満があるとすれば赤井ファミリー集合といいながら全員が一同に会すことはない。それぞれの場面で活躍はあるけどみんなで一人の犯人を追ったり戦ったりはしない。
まあこんな家族が全員集まったらコナン君の活躍のする隙がなくなってしまうだろう。
それくらいこの家族はチートな存在だ。
母親はMI6だし、息子はFBIと将棋の6冠、娘は高校生探偵でジークンドーの使い手。どこぞの西尾維新の作品か!?

舞台設定と主要な登場人物の活躍を中心に考えているため犯人側の物語は希薄だ。動機もトリックも共感することはない。ただそうでないと映画としての気持ち良さがそがれるからそれでもいいのかもしれない。
それでも大人が楽しめるような作品には仕上がっているし、ところどころオリンピックや司法制度などの皮肉もある。
リアリティはともかくとして勉強になるところもある。

全体的にはちょっと物足りなさはあるものの今後の映画にも赤井家は出て来ると思うのでそのときの楽しみにとっておくしかない。
そして来年の映画はおそらく、、、、


<蛇足>
どうでもいいけど、なんか最近は灰原をコナンとくっつけようとする風潮があるのだろうか?蘭姉ちゃんよりも灰原の方が凄く世話焼き女房感がでてますよね。(まあ灰原はコナンの秘密も知ってるから余計に)相棒というより女房感がでていてなんなんだろうなと困惑した。
随所に灰原のカワイイ仕草や独り言が盛り込まれている。
全然いいんだけど、今後の展開があるのだろうか??
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