春

17歳の瞳に映る世界の春のレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.0
 性教育の重要性とフェミニズムに関する脚本を期待して行っていた分、その点には満足できました。性教育が女性にしかされてない点や性的同意・性暴力・PMSなどの概念がまだまだ周知されていない点、中絶に対して当たりの強い世間体(宗教観)など、僅かな時間に沢山の性教育を渦巻く問題が上手く描かれていたと思います。
 個人的に、主人公の性格が我儘に見えてしまって没入があまり出来ませんでした。いとこだからと言ってもあそこまで優しくしてくれる友人に、その境遇を十分に考慮したとしても随所随所で現れる身勝手な言動には苛立ちが隠せなかったです。最後の終わり方も駄目ではないけど良くもない…と言った感じで、私の中ではそういう面が胸糞ジャンルに当てはまりました…。
 原題が作品を分析する上で大きな役割を果たしているにも関わらず、邦題は相変わらず無責任な仕事をしていて本当に苛立ちます。老若男女関係なく…は当たり前ですが、今作は是非未成年、そしてその親御さんに観てもらうべき作品だと思います。その点、地方でたくさん上映されるべきなのに都市のミニシアターの短期間上映というのが悔しい…地方こそ性教育が保守派だからこういう作品が届くべきなのに。
 あと演出脚本としてはめちゃくちゃ良い点なんですが劇中に出てくる男が例外なく最初から最後までま〜〜〜じで気持ち悪い!!!でもそれも自分が他人事として見れないリアルなものだからなのか…「えっ??オーバーじゃない?」ってなった方々もいるでしょうけど私が感じた限り大袈裟に感じた箇所は無いです。だからこそ邦題の仕事にイラつくし、 “Not All Men”の無責任さが伝わる一本だと思います。
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