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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のxxxxのレビュー・感想・評価

4.0
公開当時観たかったけど都合が合わず。
アマプラに出てたのでついに見れました。

今の日本は閉塞感があり、経済格差は解消するどころか、しようとする動きすらなく、グダグダな決断で不信感ばかり募らせる政治家たち。あるいは、世界的に起きている現象か。世が世なら革命が起きてもおかしくないような事態だと思う。

そんな最中、革命運動を本当にこの日本でやろうとしていた歴史、空気感を臨場感のある映像とともに見れたことはとても意義深かった。三島の言葉は内田さんが言うように、敵対や闘争ではなく、説得であり、勧誘であった。それはつまり三島にとっての革命運動であり、自決するに至る運動の延長であった。全共闘の革命運動を見ているようで、逆に言葉による三島の革命運動を見れた瞬間でもあった。

惜しむらくは、全共闘、三島を語ることができる全共闘側の人員と、楯の会の人員が力不足だったことだろう。芥氏、木村氏以外にもう1人全共闘の主要人物がいればなぁという惜しさがある。瀬戸内寂聴のカットとか、寿司をドンドンとかは要らなすぎて笑ってしまった。

文化人枠が無かったら事実を追うだけで、洞察のない、つまらないものになっていただろうから、特に平野さん、内田さんには感謝したい。

印象に残っているのは、

- 国運と個人の人生がリンクする感覚に陶酔していた世代があったこと
- 世の中を変えるには結局言葉が必要であるということを、名前のない世界でどう事物に関係するのかと問うた部分
- 全共闘運動の振り返りとして、敗退ではなく、社会運動に拡散したと振り返る部分

いまは自由であることが素晴らしいと当たり前に思っているけど、国運と個人がリンクし、それが全国民から許容されていた事実から考えれば、そのことから得られる感覚は今の僕が自由に感じているものと同じ類のものなのだろう。むしろ、自由という形ないものではなく、国家という自由より形見えるものにリンクされることで生きてる実感を得られるかも知れない。そう思えば、いまの自由との関係性ももっと考える必要があるよなぁとか思いました。
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