ぺピノ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のぺピノのレビュー・感想・評価

3.5
俺を含めた観客もそうだが、何より作る側があまり頭良くない。
ってかこの頃の歴史的な背景はもちろんマルクスの唯物史観とかの思想的背景を分かっていないと、彼らの会話の意図が掴めないし、意味も理解できない。なのに、何より作者がそれを分かってないから、そんなに関係ない人(しかしネームバリューがあるからそこそこに外れてはいないことを言える人)にこの出来事について教えを乞うたり、関係ある人の意味ある言葉を削ぎ落として関係ありそうでない話で何か意味ありげに見せることしかできてない。いつまでも周辺をかすり続けて終わる108分。

そもそも観客があの時の彼らの発言を頭がいいとか形容するのも気に入らない。
単にああいう観念論的な衒学的な話が流行してただけで、彼らを見て何かこの時代では到達できていない深い議論がなされてると思うようならばあなたはかなりアホ。
何より当事者であった50年後の彼らのものいいの分かりやすさを見りゃこれは明らかなわけで(一人を除く)。説明道具の流行の差であって何か特殊なものを見出す映画ではないよ。

俺はこれまでゆきりんのことをホモソーシャルなミリオタだとしか思っていなかったが、彼自身も自分がそうであることを理解していた、ということを知れたことが唯一の収穫だった。それだけ。
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