クラーク

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のクラークのレビュー・感想・評価

3.8
正直三島由紀夫について知ってるのは「自衛隊の本拠地で吠えて腹切った天才と気違いを地で行く人」という印象くらいだった。

世に未だに褒め称える声があるのは何故なのか、そもそもどういう人物なのか、そういった部分が知りたくて映画を観てみました。

構成としては、TBSに残っていた全共闘との討論の映像をベースに、「その場にいた人」「三島由紀夫と仲のいい人」「研究者」のインタビューを随時挟む形。


左翼 vs 右翼の敵ど真ん中に分け入って討論をするわけですが、まずその勇気が凄い。
討論の話の内容自体は難しい物で、理解しがたいの一言。
ただ人としては相手に対して「敬意」があり、「打ちのめすための敵」ではなく「懐柔するべき考えの違う人」として捉えてるのを感じました。
単に堅物なわけではなく、ジョークも言うし、物怖じもしない、しかし高圧的なわけでもない、そんな人柄が討論相手から「先生」と呼ばれる理由なのかもしれない、と思えましたね。


人と成りを少しでも理解出来た気がするので、当初の目的は果たせたいい映画でした。
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