くるみ

パピチャ 未来へのランウェイのくるみのレビュー・感想・評価

4.0
じわじわと幾度となくと迫りくる抑圧と暴力の中で、それに屈せず跳ね返し自由を獲得し表現するために闘おうとする女性達。

それは強くて美しいと同時に、いったいなぜ女性だけが常に代償を払わねばいけないのか。
背景は多少違っても、今の日本の現状と照らし合わせずにはいられない。

人前での肌の露出への抑圧、ナンパやレイプの恐怖、DV、学業より結婚の優先、女性の経済的自立への様々な阻害、女性から女性への抑圧、とても異国の昔の話では済ませられない。
映画の中でのファッションは自己表現の手段であるだけでなく、自由を象徴する武器にもなっている。

気をつけなければいけないのは、この映画を観るときに「宗教の戒律が厳しいから」「発展途上国だから」で思考停止してはいけないこと。

「偏見が女を殺す」という言葉の重みを噛み締める。
くるみ

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