TANRON

ディナー・イン・アメリカのTANRONのレビュー・感想・評価

ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)
4.2
大好きだな、この映画。
まず時代設定が良い。明確にいつと示されていないけど、多分80年代だろうか。現在ではパンクに夢中になるアメリカの若者なんてほとんどいないからね。憧れのパンクロッカーに幻想を抱き、恋焦がれるって設定も、この時代だからこそ説得力がある。(Phoneをケータイって訳しちゃダメ)
出会うはずのない全く違う境遇の2人が、お互いに惹かれ合い距離を縮めていく過程がとても良い。偶然の出会いなんだけど、2人を結んだのはパンクロックだったんだな。冴えない若者がいろんな経験を通して成長するって話は有り勝ちではある。でもカレの強引さに引っ張られながらも自分の殻を破って前へ進もうとする主人公の姿に心を動かされてしまった。ハチャメチャだけど意外にちゃんとしたラブストーリーなんじゃないかな。
清純派だったリー・トンプソンが欲求不満の中年主婦に、反骨精神貫くパンクロッカーだったデイヴィッド・ヨウが金儲け主義の音楽業界人に。なんとも皮肉なキャスティングが面白い。
違うシチュエーションで何度も出てくる家族の食事シーンも好き。危なっかしい雰囲気にハラハラしっぱなし。食事の時くらい余計な事しゃべらず大人しく食べてろよ!って突っ込みを入れたくなった(笑)
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