「あの頃が懐かしいってか?でも、お前の今の顔もおもしれーぞ」
劇中でコズミンがこんなことを、涙する剱に笑いながら投げ掛けていた。
誰にでもきっと存在するであろう"あの頃"は、確かに最強最高に楽しかった。けれど、"いま"の自分も最強最高に楽しいはずだ。いや、正確に言えば、最強最高に楽しく生きられるはずなんだ、私たちは。
今この瞬間を人生のピークにするために特別なことなど必要ない。
必要なのは、何か夢中になれること、誰かを大切に想う気持ちだ。何なら、作ったシチューが粉っぽくて食べられたもんじゃないと友と爆笑する程度のことでいいのだ。
そんな純粋でストレートなメッセージが詰まった本作は、さしずめ、男性版『SUNNY 強い気持ち・強い愛』と呼ぶべきところか。
地味で気持ち悪くて、大人げなくて、バカらしい、何の変哲もない野郎どもの物語だけれど、ここは使い古された台詞で言わせてほしい。
「人生楽しまなきゃ損だ」と思わせてくれる素敵な作品です。