ひみつのほう

おらおらでひとりいぐものひみつのほうのレビュー・感想・評価

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)
4.3
愛する人と結婚して、子供を育てて、いわゆる"普通"の幸せな家庭を築いて幸せな時を過ごしても、
夫に先立たれたり、子供達と疎遠になれば、簡単に人は孤独になる。

寂しいという感情は一生つきまとう。

朝、頑張って起き上がったって、どうせ一人で、どうせ寂しくて、どうせいつもと同じ1日がまた始まるだけ。

どうせ
どうせ

でもそれでも、生きる。

なぜなら
その命は奇跡だからだ。

先祖たちが、生きて死んで生きて死んで
気の遠くなるような長い時間をつないで
そして存在している、奇跡の命だからだ。

寂しい日々の中に小さな楽しさを見出したり
ささやかな人との繋がりを思い出したり、
愛する人との過去を慈しんだり、
そうやってまた自分も歴史の地層の一部になる。

それだけで尊い。

桃子さんの平凡で地味な現在の日常と、
幸せだった過去の再現とを
対比することで、
ところどころコメディ調ではありながらも、
なんだかんだ孤独のつらさ、寂しさを描いている物語かと思いきや、

最後の最後に
ものすごいスケールで着地してたことに気づく。

沖田さんの作品のこゆとこが好きだ。

寂しいのは当たり前
それでも与えられた命に感謝して
今日も生きよう
ひみつのほう

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