ヘブライ人参

泣く子はいねぇがのヘブライ人参のレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
4.2
きっと人によっては不快に感じるかもしれないが私はたすくのキャラクターがとても好きだった。
本当に自分勝手で嫌なことからすぐ逃げてしまう子供のまま大人になったような人。だからこそたすくがことねの前でお面を付けて震えながら叫んでいるのが本当に良いシーンだった。お面越しで「パパがいるから大丈夫だよ」と声をかけられ、再婚相手の膝に座る泣いた我が子を見る。震えながら叫ぶことが唯一たすくに逃げずにできたことだったのではないかと感じた。
またお面を付けたたすくと対面することねの心情が複雑であり、その立ち姿と表情はさらにたすくの幼さを戒める母の強さを感じた。
展開は何となく序盤から読めるものの想像を超えてくる演技とカットに圧倒された。