泣く子はいねぇがの作品情報・感想・評価

上映館(82館)

「泣く子はいねぇが」に投稿された感想・評価

MORIKO

MORIKOの感想・評価

4.2
仲野大賀にハズレなし!!

情けないダメ男っぷりが実に似合う。
ダメ男がもがく作品が好きなんかな…

地元にも東京にも自分の居場所が無くて。
ズルズルもがいて忘れようとすればするほど忘れられなくて。シロクマ効果…

何かを期待して東京へ、どうにもならずにまた地元へ。当然歓迎されるわけもなく。
核心をつかれるとヘラヘラ誤魔化してばかり。車中のシーンや保育園の劇のシーンでは胸がギリギリと締め付けられた。

ラスト、今までのケジメとして再び面を被り、覚悟を決めて叫ぶ、叫ぶ。
雑に馴れ合ったりせず、きっぱりと決別が描かれていてよかった。

吉岡里帆、寛一郎ら脇を固めるキャストらの自然体な演技も見事だった。

作品の雰囲気そのものがかなり好みだったので、若手の佐藤監督のこれからの作品にも期待!!
toshiki

toshikiの感想・評価

3.8
なまはげのお面をしていても
すべての感情や表情が伝わる
仲野太賀さんの凄さを
改めて感じる作品でした。
ただ券があったので、「どんなB酒映画かな?」とか軽〜い気持ちで観ましたが、なかなかどうして面白かったですね。ナマハゲありきの結末も、やはり秋田県出身の監督ならではの着眼点だと思いますし、「泣く子はいねぇが」の言葉にも重みが感じられます。ちなみに、映画館の中は、お年を召した方々で、ほぼ満席状態でした💦
mmm

mmmの感想・評価

4.3
佐藤監督の故郷である秋田・男鹿のなまはげ(重要無形民俗文化財とのこと)
伝統文化と幼少期の監督自身の体験から着想を得てつくられた、青年のなかなか成長できない物語であり親と子の話。

親になったが親になりきれず、大人だけど大人になりきれない主人公のたもつ(仲野太賀)
妻のことね(吉岡里帆)からは呆れられ、ついには愛想をつかされてしまう。
逃げるように上京したものの、のらりくらりの日々の果てに気付いたことは…


この作品においては、男はいつまでたっても子供だとということと、東北女の気丈さが対比されるように描かれていて、自分やパートナーに思い当たるところがある方には、少しばかり胃が痛くなるかも。

仲野太賀さんの“今どきの若者”といえば「ゆとりですがなにか」が強く印象に残っているが、この作品においては180度異なる面倒臭さ。
とにかく煮えない。
そんな煮えないたもつが、(超絶)遅ればせながら、何かに気付き行動に出る終盤のシーンは圧巻でした。
ラストシーンでガツンとくらいますが、そこに折坂さん“春”が本当に沁みた。

そして、ことねを演じた吉岡さん。
まさに、見てみたかった吉岡里帆だった。
強い眼差しがすべてを語っていて魅力的。

志波を演じる寛一郎さんは、目力が凄く強いのに、そこに引っ張られない雰囲気を出すし、余貴美子さん、山中崇さんは、観ていて安定・安心といった感じ。

エンドロールをチェックすると「あの方も!」という面々が出演しており、それも見どころ。

ストーリーにも映像にも、なまはげのシーンが盛り込まれており、作品の重要な鍵になっている。
序盤の夏井会長(柳葉敏郎)のシーンはひとつのポイントであり、後半に繋がっていくのと思う。
長らく続く文化にはちゃんと意味があって、よそ者が言うのは簡単かもしれないけど、この先も続いていってほしいなぁと思う。

厳しい現実を見せつけられるけど、日常のところどころに可笑しみもあり、地味で静かで、だからとても味わい深い作品でした。

“人生は、いつもちょっとだけ間に合わない”
是枝監督の「歩いても歩いても」に出てくる台詞ですが、いまいちどそれを思い出させてくれる作品でもありました。


おまけ
分福ってBUNBUKUなんですね。(BUNPUKUだと思ってました)
素晴らしい。伝統行事が出てくる映画だったので、てっきり地域・家族・電灯・絆に収斂するのかと思っていたが、全く真逆な展開であった。共同体に強要・排除された男がそれでも上手くいかない中で足掻いていく。主人公の身勝手さと大人になれない感じが会話の機微から見事に描かれていく。主人公が「泣く子はいねぇが」と叫ぶ場面は悲哀を感じ非常に良かった。
RAOHAN

RAOHANの感想・評価

3.0
太賀さん本当に良い俳優さんですね。
周りの俳優も皆素晴らしい

淡々と物語が進むのに引き込まれて行くなんとも独特の映画。

共感出来ず、ちょっとイライラする要素が多い筈の主人公も太賀さんの魅力で、引っ張られて行き、自分でも意外でしたが、心揺さぶられました…
直人

直人の感想・評価

3.0
●泣く子はいねぇが(2020年日本作品。仲野太賀主演)

太賀の演技は素晴らしい。
余貴美子も素晴らしい。

だがしかし。
主人公のたすくにはまったくシンクロできず。
大切なものだったら端っから根性据えて守れ,と。
あれでは愛想尽かされても当然。

https://www.youtube.com/watch?v=JVMnxaod7MA
ぱん

ぱんの感想・評価

-
救いようのないばかで中途半端な真っ直ぐさ。最後の奇行にはちょっと泣かされた。
スチール草野さんなのも良さ!スチールとデザイン隣り合わせだよなとか思った。
ひかる

ひかるの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後まで太賀くんが可哀想な映画
りほちゃんが最初から最後まで
ずーっと冷めてて、怖かった
最後の今親に会うシーンは泣けたけど
せめて、抱っこさせてあげて欲しかったわ
アヤカ

アヤカの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

秋田出身者にはグサグサと刺さる良作。
長編初監督ということで、若干テンポ感は気になるけれど、描きたいものはちゃんと伝わってくる。
秋田は自然がいいでしょ!なまはげも伝統的で歴史があるよね!美人の多い国でね!
を真っ向から斬り倒してくれて、そこがよかった。
なんにもない男が、田舎でやらかして逃げ出して、なんにもなれないまま帰省してしまった。やっぱりなんにもできなくて、なんにも取り戻せなくて、いろいろ失ってしまうのだけど、そのやるせなさは、故郷を出てきてしまった人間には痛いほど、しかもドクドク血が流れるほど刺さる。
このやり方しかなかったのか?もっといいやり方があったんじゃないか?
でもそういうスマートな生き方ができてりゃ、離婚もしてないし、娘を手放したりもしてない。そもそもが、無理なのだから、そうするしか彼には方法がないのだ。
幼稚園の発表会に隠れて行っても、愛娘の顔さえわからない。娘のことを思って買ったシロクマのぬいぐるみも、渡しようがない。しかしそれも、全て自分が不甲斐ないからで、誰のせいでもないのだ。
全編を通して鉛色の曇り空。なにもかもが手遅れで、なのにそれをかき集めようとしてもがく主人公の、孤独感とか不安感がビンビンと届いた。
あの景色の中で育った人間としては、灰色の空の下で自らも抱いた、負け組の焦燥感が痛いほどわかる。
それでも生きて行く一人の男の結論は、ラストシーンでの咆哮となって押し寄せる。泣く子はいねぇが?このタイトルの意味がガーンと落ちて来る。なまはげは神様で、神様は何してもいいんじゃない?という、怪しいオッサンの軽口が、見事に回収されていく。

エンドロールの後のラストショットの、ガチなまはげの神々しさ。
それは、生身の人が受け継いできたものであり、そこには表には語られない数々のドラマがあったことだろう。
綺麗事じゃない秋田の、田舎の、人間の、リアルな質量が素晴らしかった。
秋田に帰りたくなりました。
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