Ryan

トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャングのRyanのレビュー・感想・評価

3.8
オーストリアの英雄


ストーリー
19世紀のオーストラリアで、腐敗した世の中に反逆した実在のアウトローであるネッド・ケリーの素顔を描く問題作。


主演 ジョージ・マッケイ
監督 ジャスティン・カーゼル

 

「義賊」としての振る舞いと反権力の姿勢を貫いたネッドケリーは、その時代のオーストラリアを象徴する存在となり、神格化されるようにまでなった。

まず、ネッドケリーを知らない者が見ると「この映画のどこが義賊なんだ?」と疑問に思うだろう。
実際は貧困層は狙わず、富裕層から金品を奪い貧者に分け与えたいたらしく、殺すのも富裕層の手先と化していた"警官"のみであった。

そんなオーストリアでは知られた存在を大袈裟に語るのではなく、あえてポストモダン的に描写する事で、知られざる一面をアプローチする事に成功しているだろう。

かなり生々しい暴力描写と性描写に思わず目を背けたくなるが、キャストの力強い演技と体を張った体当たりな全裸芸を見逃すわけにはいかないだろう。

不思議なのは、これが"19世紀の話"である事。
パケ写や劇中でも「現代に通ずる部分を感じる」ため変な錯覚と既視感を生む。
昔話でありながら、現代の物語を語っている様な、それでいてタイムスリップをしているようななんとも不思議な気分を味わえるだろう。

個人的にチャーリーハナムの美尻を見れたのでラッキー。
Ryan

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