まろ

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へのまろのレビュー・感想・評価

2.6
ホセ・ムヒカの人生、言葉、活動に魅力を感じた分だけ、挟まってくるこの作品の監督の思想や言葉、視点が浅く、わずらわしい。
どのような点に感銘を受け、どこに着地したいのか、ホセ・ムヒカの映画を撮ったわりに政治的なメッセージを打ち出すのを恐れたのか、持ち合わせていないのか、「自らがホセ・ムヒカから学びたい」とホセ・ムヒカは自らの心と向き合えと言葉にしているにも関わらず、結局取材を行っていたこの監督には響いていないのではないかなとやるせない気持ちになった。
ホセ・ムヒカの日本の歴史や文化に敬意を払う姿に感銘を受けたのなら、私たちにウルグアイの歴史や文化をもう少し届けてほしかったと思う。日本が褒められて気持ちよくなった部分だけを集めて完成させたような妙な居心地の悪さは、物だけでなく人を消費していることにならないだろうか?
それこそ消費というものに支配されているわけで、感銘を受けたと感じているのならホセ・ムヒカの言葉をもう一度聞いて自身と監督は向き合うべきだろう。

映画として観るとテレビで流されるドキュメンタリー番組な作りで複雑な心境になった。個人的に映画館で観ていたらもっと低いスコアを付けていたかもしれない。やれやれ。
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