日本版『アイリッシュマン』
『パッチギ』や『ヒーローショー』のような井筒監督のギラギラした作風を期待しみ見に行くと肩透かしを食らう
この映画には素晴らしいスタントやカーアクションシーンがあるが、全体に漂うのは諦観だ
すべては起こったこと、過ぎ去ったことであるかのように淡淡とした描写で物語は進んでいく
想起した作品はスコセッシ監督『アイリッシュマン』
『アイリッシュマン』も『ウルフオブウォールストリート』や『グッドフェローズ』のギラギラ感を期待すると肩透かしを食らう作品だった
そして、老境に差し掛かった監督の諦観が漂う作品だった
過ぎ去ったことであるから、全てが虚しく、悲しい
いい仲間や部下、上司に囲まれていようと語る側の人間からすると、その人間はすでにいなく、楽しい瞬間は、そこにはない
もう、なにも変えられない
そんな切なさが満ちた作品だった