私にとってめちゃくちゃ嫌な映画でした。
物語の開始から早朝に出勤している主人公の姿だけで胸が苦しくなった。
そこからは自分が悪いわけではないのに謝らなくてはいけなかったり、面倒な仕事は投げてくるわりに謝罪文のメール作成時だけ懇切丁寧に教えてきたり、映像業界に自分が身を置いてるわけではないのに何処か身に覚えのある事ばかり描かれる。「5年後なにしたい?」と未来を想像させて、業務のイメージが違っても夢を見ることを続けさせる上司や、「立派に育てたいから厳しくしてる」の文言なんて過呼吸モノ、寒気がする。
思い返しても「君は好みではないよ」が本当に気持ち悪かった。仕事に性を持ち込む精神本当におぞましい。
作りもめちゃくちゃ簡素なのが上記を引き立たせてて上手いなと思った。簡素だけど遠回しなセリフでこの会社の全貌が一瞬でわかる。
これだけ他業界の私も感情移入できてしまったということは映像業界はより黒い世界なんだろうな。知り合いから聞いたことあるがとんでもない世界だった。夢見る人たちが出て行ってもまた同じ人が入ってきてそれのサイクルで回ってる世界だ、という印象。
1つ1つのストレスは細かいけどそれが積み重なっても尚、「問題ないよ」と言える主人公に強いなぁ凄いなぁと思いつつ、逃げてもいいんだよ、と言いたくもなる。「好きなこと」だから続けていくのかな。それともここしか居場所が無い、と思っているからなのか。
「(あのまま精神つぶれる前に辞めてほしい…)」と願わずにはいられない私でした。