粗暴の大道芸人ザンパノと金で売られた少し知能が遅れたジェルソミーナの関係は、男の我儘と女の誠実さといえば聞こえが良いかもしれないが、現在からみればアダルトチルドレン同士による断ち切れない共依存の関係で>>続きを読む
ヨーダ役のフランク・オズ監督による「寝室ものがたり」(マーロン・ブランド出演)のリメイクである。
コン・ムービー(詐欺師が活躍する映画)としては、「スティング」(ポール・ニューマン、ロバート・レッド>>続きを読む
ポスターヴィジュアルは水の中で上半身だけが出ているカットなので、どこかの底なし沼にはまった洞窟を舞台にしたジャンルホラーかと思いきや、全然違う内容ではあったが、ブランドン・クローネンバーグの監督作品と>>続きを読む
1947年の戦後間もない頃に公開されたルノワール・サスペンス。フランスの社会情勢と特に刑事がアフリカ系の子供を養子にしているあたりは、南米地域の植民地政策についての政治的背景を読み取ることができる。>>続きを読む
今までの製作スタイルの流れをみると前作が「TENET テネット」のようなトリッキーな映像表現であれば、次作である本作は「ダンケルク」のように派手さがない感じではないかとクリストファー・ノーランの作品を>>続きを読む
特段にカンヌやアカデミーに振り回されるタイプではないとは自分では自覚をしているつもりであるが、(なぜかオールタイム・ベストは上位を占めているけど)本作はとても観に行きたかった作品ではある。スケジュール>>続きを読む
私が映画作家として敬意を払うルイス・ブニュエル監督の「愛なき女」は、1951年にメキシコ時代に製作された珍しいメロドラマである。(ブニュエル本人曰く失敗作とのこと)
経済的な貧しさにより年上の男性と>>続きを読む
ヌーヴェル・ヴァーグの始祖と言われている仏のアンリ=ジョルジュ・クルーゾーの1955年に公開されたノワール・サスペンス。
「悪魔のようになるべからず」
本作は監督自らヒッチコックに影響を受けて>>続きを読む
周辺からの評価も高く、話題の続編を劇場で鑑賞をしたが、前回は序章で登場人物も説明的な場面が目立ったが、本作はヴィルヌーヴの本領を発揮したのか動きのあるショットがあり、前作を上回る素晴らしい映像世界を堪>>続きを読む
迷宮入りという言葉は未解決事件でよく使われているが、この映画は17世紀に実在した政治家であるゲオルク・イェナチュの死の真相に囚われたジャーナリストの物語である。クリストファーはとあるきっかけで時代を超>>続きを読む
雑誌のインタビューでラフィンノーズのチャーミーがピストルズについてシドとスティーヴは本気だったけど、ジョン(ジョニー)とマルコムは違っていたという趣旨のようなことを語っていたけど、(だいぶ昔の曖昧な記>>続きを読む
本作は現実と妄想世界が複雑に入り組んだ映像で観る側を混乱させる興味深い内容ではあったが、ブニュエルらしさがあったのかと言えば微妙なところもあった。おそらくフランス側の検閲によるカットがあったためなのか>>続きを読む
人間の持つ理性と本能、現実と妄想、秩序の裏返しが混沌のように、背反する概念にクラシカルな音楽を媒介とした実存主義寄りの群像劇であったと私なりに理解をしているが、メッセージは抽象的でもあるので、解釈は人>>続きを読む
無口な清掃員を主人公とした、単調な日常を好む定年に差し掛かった平凡な話ではあるが、繰り返し起きる日々に時たま起きる出来事にも親近感を感じるドラマであり、ヴィム・ヴェンダースと役所広司のコラボということ>>続きを読む
若き金庫破りであるマイケル・ファスベンダーとベテランの年老いたリーアム・カニンガムのバディムービー。15分ぐらいのコンパクトにまとめたフィルムノワールであった。
マイケルはリーアムの事を最初から知っ>>続きを読む
前作「ボーダー 二つの世界」が、寓話とサスペンスが混ざったような世界観が独特で非常に記憶に残ったが、本作は監督の出身であるイランで実際に起きた連続殺人事件を元にした実直な社会派ドラマであった。
これ>>続きを読む
溜まっていた物理的なソフトを視聴消化しないと増える一方なので、電気を消した暗い部屋で手探りでケースからメディアを取り出す時にパキッと割れてしまい予定していた映画がお釈迦になる事件が発生する。急遽、繰り>>続きを読む
先日視聴をした「緋色の街」の影響で、「メトロポリス」以外のフリッツ・ラングの作品に興味を持ったのが理由ではあるが、本作の「M」は映画黎明期(トーキー)の時代に革新的で素晴らしい作品であった。
少女連>>続きを読む
「エクソシスト」「フレンチコネクション」でお馴染みのウィリアム・フリードキンが1977年に監督した映画で、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの同名の小説と映画をリメイクのディレクターズ・カットによる完全版>>続きを読む
人類初の有人火星探査を偽装するという陰謀を描いたポリティカル・サスペンスであり、1970年代の米国の不安定な社会情勢やNASAの危機に影響されて製作。ニクソン大統領が失脚したウォーターゲート事件やアポ>>続きを読む
SF映画の原点である「メトロポリス」の巨匠フリッツ・ラングがアメリカ亡命後に撮った極上のノワール・ミステリーを堪能できた。
初老を迎えた銀行員クリス(エドワード・G・ロビンソン)が、勤続25年のパー>>続きを読む
タルコフスキーの映画をスクリーンで拝見したのは、学生時代に授業の一環として広い講堂で鑑賞した「ストーカー」以来である。
今回の製作は生まれ育ったソビエト(現ロシア)ではなく、イタリアからの海外による>>続きを読む
封切り当日にでも劇場に足を運ぼうかと思ったが、鑑賞日が水曜であればサービスデーであれば、料金が浮くので数日間お預けにして本日の鑑賞となった。
原題は「POOR THINGS(可哀想なもの)」邦題にす>>続きを読む
ニュー・ジャーマン・シネマの代表格であるヴェルナー・ヘルツォークの1970年に公開された問題作であるが、単純にブラックユーモアなどにジャンル分けができない、捉えどころの無い映像世界であった。
ナチス>>続きを読む
DVDもBlu-rayも持っているけど、リマスターによるリバイバル公開となれば、何回も観直していても好きな映画であれば劇場で臨場感を味わいたいので映画館へGOとなった。
公開時(1972年)デ・パル>>続きを読む
引退宣言をしていたので、まさか撮るとは予想だにしなかったが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響、監督であるアキ・カウリスマキの出身はフィンランドであるが、ロシアと国境の近いため安全策としてNATO(北大>>続きを読む
今年初めての劇場鑑賞である。観終わった直後の感想としては、「エクソシスト」などの霊が人間に憑依するクラシカルなホラーに「シックスセンス」以降にみられるサスペンスと感傷的要素を並行して取り入れたZ世代が>>続きを読む
今回も引き続き名作シリーズである。最近話題の新作も観なければとは思いながらも、可能な限りチャップリンも観なくてはという感じで紹介できればと思う。
やはり普及の名作と言われるだけの作品であり、第2次産>>続きを読む
新年最初の映画は、今回も引き続きチャップリンの名作シリーズである。
喜劇とシリアスのバランスに過不足ない秀逸なドラマであった。またチャップリンの映画としてトーキー(映像と音声が同期されている)が初め>>続きを読む
皆様ありがとうございます。
今回で視聴回数1000回を(Filmarksレビュー)無事に迎える事ができました。応援して頂ける皆様のおかげとひとえに感謝しています。また現在のフォロワーは2800人(会場>>続きを読む
複数のエピソードで分かれた聖フランチェスコの半自伝的な物語であるが、脚本の共作として、フェデリコ・フェリーニが携わっていたのでもう少しトリッキーな映像世界を予想していたが、イニシアティブは監督であるロ>>続きを読む
今までのギャスパー・ノエの作品といえば、スキャンダラスで面白半分に話題性を意識した印象はあるが、今回は「サスペリア」で著名な監督であるダリオ・アルジェントを主演に使う大胆さはあったが、テーマを「老後」>>続きを読む
題名はトーキング・ヘッズのThis Must Be the Placeから引用しており、またデヴィッド・バーン自身も音楽とゲスト的な本人役として主演を兼ねている。しかし本人役として出演したライブの容貌>>続きを読む
皆さま無沙汰しております。久しぶりの更新で緊張をしておりますが、体調不良やプライベート等でなかなか映画を見る機会がございませんでした。体調を考慮しながらダラダラやって行ければと思います。(せめて区切り>>続きを読む
だいぶ昔に陣内孝則が出演した「ちょうちん」は見た事はあったが、脚本家として意識はしていなかったが、作品として記憶には残っていた。
「竜二」は拳銃を使った派手な抗争によるタマ(魂の隠語)の取り合いが起>>続きを読む
待ちに待った「ゴーン・ガール」以来のフィンチャー映画である。(配信のみの「マンク」は未見のため)脚本は「セブン」のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカー、製作がPLAN Bであれば、矢も盾もたまらず映画館>>続きを読む