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ビバリウムのmentaikosanのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.7
【不条理系映画】

◾️あらすじ
家探しをしている若い夫婦、トムとジェマ。不動産屋に紹介された家の見学に赴くが、着いた先は全く同じ家が連なる人気のない不気味な住宅街。
更に、仲介人が突如として姿を消し、街に閉じ込められてしまった2人。
脱出を試みるが、歩けど歩けど広がるのは同じ景色だった。

◾️感想
なんだかマグリットの絵画に閉じ込められたような世界観だった。

映画の冒頭に、カッコウの托卵シーンが登場する。地面に落とされた本当の雛は力尽きて死んでしまい、トムが土に埋葬するというものだが、物語はこれになぞらえられて進んでいく。

家を買い、子を産み、育て、死んでいく親。人はこれを幸せと呼んで当然のように繰り返していくが、それと托卵を重ね合わせて、かなり皮肉に描かれている。

不条理で不気味、ちょっとシュールな場面もあって、個人的にはとても好みな映画だった。