mai

宇宙でいちばんあかるい屋根のmaiのレビュー・感想・評価

3.7
これは…すごく評価の分かれやすい作品だと思います。
低評価はつきにくいと思いますが、普通だったよって人と手放し高評価の人がいるんじゃないかな、と。

「出会い」から生まれる「人との繋がり」を大事にしようねという話です。
いろんな出会いがあるし、自分にとって良い/悪いで区切りをつけてしまうのは勿体ない。その人のことを知ることで、あなたはたくさん成長できるし、素敵な人になれるよ…そう言ってくれてるような優しい映画です。

清原さん演じる女の子は普通の女の子…なのですが、彼女の心の中は周りの女の子との間に違和感を覚えたりと、素の自分を見せることができません。
うまくいってないわけじゃない、でも何かが違う。だからこそ、付き合ってはみてもすぐに別れてしまったり。
こういう感情って思春期特有だろうな〜と思います。
そんな中で出会ったざっぱな星バァとの交流で、少しずつ素の自分と向き合っていったり、勇気を出したりと変化していくわけです。

まずひとつ言いたいのは、ストーリーが魅力的に思えるかどうか?という点です。
今の母親は自分が幼い頃の、父親の再婚相手。その母親には新しい命。
本当の母親を知ってはいるけど、会ってない、興味はある。
好きな男の子はいるけど最後の一押しで勇気が出ない。
良く言えば、誰にでも共感を呼べる設定なのですが、悪く言えばどこかでみたことのある設定です。安定感はあるけど新鮮味はないんです。
わたしはその点で言えば、この設定含めたストーリーにあまり魅力を感じませんでした…なんとなく「屋根」という「その下には色んな人の色んな人生が展開されてる」のようか意味合いに繋げて、さまざまな人のさまざまなストーリーを取り上げてはみたけど…な印象が強くて。予定調和が好きかどうか?の問題かもしれません。
ただ、ラストの「再婚相手である母親の心の内」を父親が語ってくれる部分は好きでした。主人公だけが変化していく成長ストーリーはあるけれど、家族が変化するのに合わせてみんなが変わっていこうとしてる心温まる感じでよかったです。

ストーリーを度外視するなら、ちょっとファンタジーの混ざった映像表現は苦手でしたが、清原さんの純粋な雰囲気と等身大な学生感が好きでした。あえて言うなら、清原さんをメインに持っていきたかったのかな?という映画。それくらい、彼女の魅力に溢れていました。桃井さんは、まだおばあちゃん役には合わないのかも…という気がします。今回の役は、彼女に毒づきながらも背中を押してあげる役です。原作はわかりませんが、もう少しクセのある「ザ・おばあちゃん」が好みです。ゆったりとしていて…みたいな。

ストーリーの予定調和感、演出のファンタジー要素が気にならなければ高評価は間違いなし!な映画です。
その点が気になるという人も、観て損はないし、観てよかったな〜と思える映画だと思います。清原さんを気になってる方なら尚更!

最近、こういった「素になれない自分」を描いた映画ってよく見かけるなぁと思います。時代なのでしょうか…?
mai

mai