女優の原田美枝子さんが、自身の母親が認知症になり、「自分は女優」と言ったことから始まるドキュメンタリー映画です。
原田美枝子さんの出演作は、認知症を扱ったものも多く、この映画の後の『百花』はまさに集大成といった作品ですが、その前にこれほど個人的なテーマを優しく描いていた事も重要なポイントだったのではないかと思います。
母が原田美枝子さんの女優人生を自分の事のように語り、そこから女優としての人生を撮ろう、というプライベートフィルムが、しっかりと映画になっていきます。
自分の母親、母親の母親、そして娘と母と娘の何世代にも渡る物語でもあります。
家族についての、その人生から何を読み取るかを描いた作品ですね。