MasaichiYaguchi

荒野のコトブキ飛行隊 完全版のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.6
人気アニメ「ガールズ&パンツァー」の水島努監督が、天変地異が起きて海が枯れてしまい荒野が広がる世界を舞台に、女性だけの凄腕パイロット集団「コトブキ飛行隊」が活躍する様を描く本作では、レシプロ戦闘機によるドッグファイトが大空や市街地を中心に繰り広げられていてワクワクしてしまう。
登場するレシプロ戦闘機は、コトブキ飛行隊が搭乗する一式戦闘機隼一型や局地戦闘機雷電、四式戦闘機疾風、局地戦闘機紫電改等、多少性能面を含めてアレンジされているとはいえ、好事家には堪らないものがあると思う。
本作の世界では、人々は限りある地下資源と空路による交易で生活していて、その物資輸送を生業とするオウニ商会が物資を略奪する空賊対策用の用心棒集団としてコトブキ飛行隊を雇っている。
この世界の“基盤”を作った「穴」が大きな影響力を持つものとして登場するのだが、本作はこの「穴」を巡る戦いと言っていい。
つまり「穴」の実権を握った者が世界を征すという野望の下、戦いを仕掛ける者がいて、それを阻止しようとオウニ商会やコトブキ飛行隊をはじめとした人々が様々に抵抗、対抗するドラマが展開する。
同じ水島努監督の「ガールズ&パンツァー」もそうだが、本作での主要キャラクターである女の子たちが夫々個性的で魅力的だ。
主人公はパンケーキが大好きなキリエなのだが、初めは一匹狼でマイペースだった彼女が、エンマや隊長のレオナ、副隊長のザラ、最年少のチカ、冷静で天才肌のケイトと触れ合い、共に戦っていく中で変わっていく。
果たして彼女らは世界征服を画策する者の野望を挫き、普段の平和を取り戻すことが出来るのか?
ラストの方の決戦では彼女らと共に思わず「一機入魂」と言ってしまいそうになります。