けべん

マシニストのけべんのレビュー・感想・評価

マシニスト(2004年製作の映画)
4.0
不思議な展開、のんびりしつつも奇妙で薄気味悪さが頭から離れない

不眠症の主人公の身の回りに起きる不可解な出来事から、自分を陥れている何かを探ろうとする話。主人公が謎解きをし、その結果、自分に関する重大な事実を知る

タイトルは工場の機械ラインオペレーターのことだが、『不眠症』としてないところが面白い。

主人公は、歩くガイコツのようにガリガリなのが本作の最大の特徴。インパクトの強すぎるジャケットが目を惹く。役作りのために、身長183cm体重85キロから毎日りんご1個とツナ缶のみで55キロまで体重を落としたらしい。彼的には45キロまで落とそうとして止められたらしいが気合いがすごい。

自分の勘違いで相手を疑ったり罵ったり脅迫する様子から、周りの人から邪険に扱われて嫌われていく主人公を見続けるのがかなり心にきた。こんな悲しいことがあるのね、多くの周りの人に支えられていたことがわかる

終始薄気味悪さが蔓延している作品であるが、見終わると あーなるほどそういうことか と納得してしまうスッキリさがある。

この話はけっこう面白い。(ここまでの話にはならないだろうが)自分が主人公になり得る可能性はあるし、少なくとも不眠症は何かしらのトリガーがあるものなのかもしれない

メイキングが面白かった。作品化への道のり、撮影陣の苦労が伝わってくる。