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のぼる小寺さんのmaiのレビュー・感想・評価

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)
3.9
大会で優勝する!仲間との絆!
みたいな青春映画もいいけど、自分のやりたいことは実は知ってるのに、それを自分で「無理だ」とか「宣言するのってカッコ悪い」とか「一生懸命やってる姿を見られたくない」と否定しちゃってる高校生が、ひとりの女の子の姿に感化されて真っ直ぐに頑張ろうとするのを描く青春っていうのも良いなぁと思いました。
自分の殻を破る、自分の打ち込めるものを見つける…それだけでも凄く尊いことだなぁと感じました。
いま、個人的にいっぱいいっぱいの状態で…そんな時にこの映画を見たから、何だかそんな真っ直ぐな姿に不思議と涙ぐんでしまいました。笑
自分のやりたいかどうかわからないことに「やらなきゃ」で取り組めるというのも大事だけど、自分のやりたいって思えることや、やってみるか!と思えることに打ち込めた方が幸せなのは自明ですよね。何だか、そこすっ飛ばして「やらなきゃ」一本でやってたからしんどくなってたんだなぁと腑に落ちました。
わたしも小寺さんの真っ直ぐに上ってく姿に感化された1人になっちゃいました。笑

そして、とにかく爽やか!
展開が爽やか!
悪い人は出てこないし、彼らが一生懸命に打ち込もうとする時に応援してくれる先輩やクラスメイトがいてくれる…現実を持ち出してしまえば、そんなにうまくはいかないのだろうけど、そうやって頑張っている姿を笑う人もいるかもしれないけど、そうやって笑ってくる人たちは小寺さんが言うように「寂しい」という感情を隠すために必死なのかもしれない。
だったら、笑うよりも笑われる方がいいなと思いますし、頑張れば応援してくれる人がいて、そういう人たちを大事にしたいですね。
すべての頑張る人、頑張りたいけど頑張れない人、夢に飛び込もうか悩んでる人…きっと「頑張ろう」って気持ちになれると思います。オススメです。

最後の「ザ・青春」な展開もおまけ的な感じで良かったです。笑
恋愛メインじゃないけど、頑張ってればその頑張りを見てくれてる人が必ずいるよって言ってくれてるようで、こういう恋愛の使い方もありだなぁとか思いました。

あと、キャストの方々が役にピタッとハマってるのも良かったです。
みんな、普通にしてるようでちょっとクラスから浮いてる。その野暮ったさだったり、馴染めなさみたいなのが上手く演じ切られてて親近感が湧きました。笑
演技が上手い!とかじゃないけど、魅力的な演技ばかりで見ていてワクワクしちゃいます。

自分の今の状況とシンクロしてしまって、かなり心動かされました…。笑
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