聴く映画、観る音楽。
ジャズ喫茶 BASIE、そこではジャズの心音が聴こえる。それにつられるように世界各地から、そして様々な人間がやってくる。マスターの菅原さん、黒いテーラードジャケットに身を包み、サングラスの奥は深くて見えない。紫煙を燻らせる姿は常にジャズそのものに向き合ってきた矜恃が見て取れる。レコードはその男は演奏されるのを待っている。
てっきりBASIEのみにフォーカスしたドキュメンタリーかと思いきや、新宿DUGから蓄音機専門店「シェルマン アートワーク」まで、ジャズに関わる人が網羅的に登場してくる。ジャズとはなにか、ジャズ喫茶とはなにか、レコードとオーディオの間に何があるのか、様々な人間から語られる追憶を伴って我々は探求していく。
途中阿部薫さんの演奏が流れるのだが、"死"へと猪突猛進している様が鬼気迫っていて道連れにされてしまうかと思った。
多種多様、自由に生きる。それがジャズなのだ。