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セイント・フランシスのUDのレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
4.0
この映画は始まりから終盤まで徹底して人生の残酷さを描いているように感じた。愛らしく見える場面も、なんだか心の底からいいなあと思えなくて、むしろ人生の焦燥や残酷さを浮かび上がらせているように見えた。
終盤にそれぞれの登場人物が抱える不満や悲しみを分かち合えた時にはじめて、みんな平気なふりをしていたんだと気付く。
彼女は、人生の残酷さから自分を守るために固い殻を纏っていった。その結果、自分で涙を流す理由すら分からなくなるくらいに殻が分厚くなっていたのだと思う。純な子どもと触れ合って、殻が溶けて身軽になって、また人生が始まる。
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