ヒモ

まともじゃないのは君も一緒のヒモのレビュー・感想・評価

3.8
「普通」の恋愛とは何なのかがテーマにされている哲学的恋愛映画。
理系哲学恋愛映画として、文系哲学恋愛映画(らしい)「恋は光」と比較されていたので予習のために視聴。

「普通」のJKみたいに恋の話題で盛り上がれない、ベンチャー社長に恋する意識高い系JKの主人公と、数学科出身だけどアカデミアに進まず予備校教師をやっている男が、「普通」の恋愛について考える話。
「普通」は諦めの言葉で、「普通」はどうせこんなものと思いたいだけだという言葉にもハッとしたし、生きていて少なからず抱えている妥協に気付かされる。生きづらい二人の視点で描かれた恋愛映画なので、新鮮な気持ちで見ることができ見て良かった。凄いなと思うのが、視聴者は最初は男の「普通じゃなさ」に対して主人公の女の子の意見に賛同するのに、終盤では「普通じゃないはずの男」の「普通」の言葉に共感するようになっている所。最終的に「普通である/ない」から判断軸が外れるところも良い。

成田凌のダメ男の演技が凄い、人間関係が苦手な理系男子感が異常。愛がなんだの時にも思ったが、憎めないギリギリのラインのダメ男の演技が本当にうまいと思う。あと、意味のない発言をするベンチャー社長役に小泉孝太郎を抜擢したの、配役に意図的なものを感じる。
全体的に面白く演技も良かったので、理系哲学恋愛映画としてお勧めしたい。
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