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リトル・ガールのfleurのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
5.0
サシャはune petite filleでmademoiselleでelle。泣かまい、泣かまいとしているサシャに心がきゅっとなったし、サシャがぽろぽろと泣き出してしまうところは胸が張り裂けそうだった。序盤の傷つけてしまってからでは取り返しがつかない、と後悔するお母さんの言葉が響いた。パリまでドクターに会いに行き、ドクターを呼び近所の人々との勉強会を開き、学校に屈せず闘うお母さん。いつもサシャを起こす姿が優しくてあたたかかった。あとお姉ちゃんがとてもすてきで好き。いつでも味方でいる強い姉になりたい、と話していて、学校に好きな格好で行けるようになったときもものすごい笑顔でサシャを強く抱きしめていて、本当に素敵なお姉ちゃんだった。新学期の日、髪の毛を乾かしていたのもお姉ちゃんだったのかな?お母さんかな?お兄ちゃんもサシャのこと友だちにわかるように話したよ、と話したり、頑張ってるものね、とママに話しかけたり、すてきなお兄ちゃんだった。弟くんもかわいかった。きょうだいが本当に仲良しで愛おしくていいなぁ、と。だるまさんが転んだもしゃぼん玉もおうちに来てくれたお友だちと遊んでる姿も愛おしかった。

学校の対応に怒っているけれど騒ぎ立てたりしない、サシャは見せものじゃない、平穏な生活を守らなければならない、というお父さんの態度に、その通りだと改めて思った。簡単なことなのになんで受け止めないのか、とお父さんの言う通り、頑なに態度を変えないひとたち。この先も闘い続けることになるサシャを、助け、側で一緒に闘うのが役割だ、と話すお母さん。学校と闘って前進してもバレエ教室でまた闘わなければならなくなる。闘い続けても無駄じゃないのか、とサシャが思ってしまうことに心が締め付けられた。サシャにそんな思いをさせないために、この世のすべてのpetite filleたちが自由に"ふつうに"生きるためにわたしも闘い続ける。
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