Ryoma

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46のRyomaのレビュー・感想・評価

3.6
2010年代後半。空席だったロックスターの枠を担ってしまったアイドルグループの軌跡。それを垣間見た欅坂46のドキュメンタリー映画でした。

とはいえタイトルについては何が嘘で何が真実だったのかもわかりませんが(シングル出す出さないの話なんでしょうが)、この映画で語られていることなんて彼女達に起こったことの中でも映像化できるほんの僅かなことなのでしょう。そんなことまで想像してしまう程に序盤以外、ラストまでずっと不穏な空気に包まれています。

その不穏な空気の中心にいるのはやはり絶対的センター「平手友梨奈」です(その空気を生み出しているという意味ではなく)。彼女の溢れ出る才能に誰しも魅了され、ファンならずメンバーやスタッフも撃ち抜かれたこと映像を通してよくわかります。

このグループのパブリックイメージは平手さんであることに間違いはありません。ですがその絶対的なカリスマ性で進み続けた結果、徐々に歯車が噛み合わなくなっていく。あの時ああしていれば。別の選択肢をしていれば。など、たらればの話を今更したくありませんが、もっと何かできることはあったのではと思わざるを得ないのです。

とはいえこのグループには大きな魅力を持ったメンバーは平手さんだけでは決してなく大勢いるのです。この映画で主役としてフォーカスされている菅井友香さん。このグループを少しづつ変革させている2期生達。だからこそ彼女達のパフォーマンスや笑顔が見れる日をどうしても期待してしまうのです。

グループ改名によりそれが叶うのか。まだまだ分かりませんが、まずは欅坂46としてのエンディングを見届けなくてはと映画を見て決意したのです。
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