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ドント・ルック・アップのsanchangのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

6ヶ月後に彗星が地球に衝突することが分かった後のアメリカ社会を、コミカルかつシニカルに描いた作品。前々作の「マネーショート」同様、実態が希薄な虚像に踊らされ、狂乱する人々は、アダムマッケイの一貫した映画のテーマ。

地球を滅亡に追いやる彗星は、否が応でもコロナを連想させる。彗星を破壊することで政治利用しようとするアメリカ政府、彗星を構成する鉱物を採取して経済利用しようとするIT企業社長、彗星の存在すら否定する陰謀論者、科学者の軽視、そしてそれらを糾弾するリベラル左派との分断など、コロナによって顕在化したアメリカやその他世界の有様を徹底的に風刺する。

彗星を巡って狂乱する人々に散々笑った後、ラストは衝突するその時まで、いつもの日常を描くのが印象的。改めて神に感謝し、きれいにディナーを完食したところで映画が終わる。狂乱に加担せず、コロナ禍においても大切な家族との時間を大切にしろよということだろうか。そしてエンドロール後のジョナヒル。。。
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