石

ドント・ルック・アップの石のネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

よくもまぁ現代社会へのここまで強烈な皮肉を145分の映画にしたものだなと。笑

たぶんコロナ禍以降の医療従事者の方々は政治や人々に対して主人公達と似たような体験、悩みを抱えてらっしゃるでしょうね。。

しかし主人公達は映画の中の「紛れもない善意」かというと決してそうでもなく、彼らも皮肉の対象です。そして、全員が皮肉の対象です。

そうやって全てを皮肉って映画は展開していきますが、途中からこの手の映画によくある「選択」がキーワードっ”ぽく“なります。いわゆる別れ道というやつ。

そこから、

「翻弄され踊らされながらも、選択を誤らない人に訪れる救い」
がある、やっぱり分かりやすい映画だ!

と思わされたものですが、

後々考えると、これ本当に救いがあったのでしょうか?

受け止め方は様々あると思いますが、個人的には、
「選択したら救われるなんてあるわけないでしょ?そんなのエゴ。そんな映画みたいに簡単なことが現実であるわけない。まーこれが救いに見えるならそれでもいいけどね?」って観てるこちら側をも皮肉ってる様に思えて、
なんかこの映画ある意味で底無しだなって感じて不気味さすら感じます。笑

ただ最後の瞬間を座して待つシーンは迫り来る恐怖を煽る演出、みんなが気を紛らわせるために明らかに頭の動いていない会話をする様子、なんとも言えない終末感が非常に良い。ここだけで一見の価値あり。
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