ドント・ルック・アップのはまニューヨークのレビュー・感想・評価

今まさに迫り来る危機に対して、何が現実で何が科学的なのかという前提を軽視し、政治や経済に振り回される様は、まさに気候変動問題という人類共通の危機へのメタファーか。米国では民主党支持者の59%が気候変動問題を政策課題として優先すべきと考える一方で、共和党支持者では14%に過ぎない。政治的立場や貧富の差による正義の在り方への分断が進む米国民の苛立ちがコメディタッチで描かれ、やや後味の悪さは否めないが、一方でこの現実を受け入れなければならない米国民の深い苦悩が垣間見える良作。