やすひろさん

ドント・ルック・アップのやすひろさんのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

2022年259本目
「ドントルックアップ」

レオナルド・ディカプリオ主演
地球に衝突する彗星を見つけたが無責任な起業家と政治家に阻止される話

これはアカデミー賞とってもおかしくないくらいの話だと思った。
アメリカの分断を描いた話なんだけど民主党対共産党といったテーマでもトランプとその支持者をバカにした話でも(いや、一部トランプ支持者っぽい人たちは出てるけど)なく最大の批判は単なる高額献金者というだけでアメリカの政治を左右しその結果人類の未来まで左右することができる利己主義な起業家とその政治システム。(これは民主党の時も酷い。プロケッズの社長が「単に金を持っているだけで政治を左右できるのはおかしいとビル・クリントンに晩餐会で言い放った逸話あり。)
なのでトランプ的な非科学的な態度の風刺もあるがあるけどそこに始まったわけではないアメリカや世界一般の根深い問題まで考えられていると思う。


衛星の軌道を変えようとするとスマホ会社のCEOが衛星はレアメタルの固まりだからこれを引きつけて利用しようという。この設定がうまい。単なる盲信ではなくアメリカの起業家が言いそうなことを当てはめてる。

さらに大統領とその側近の無能、縁故、セコイ軍人。こんな奴らが自分達の未来を握っている。
これは「どこも国も変わらない」ではなくアメリカは大統領選の結果で全てのスタッフが入れ替わる。日本をはじめ官僚制では政権交代しても官僚は変わらないがアメリカは総入れ替えでなんだかおかしな感じになる(この辺は政権中枢にいたジョン・ボルトンが書いた「トランプ大統領といた345日」に詳しくかかれている。)

俳優がうまい。ディカプリオ、メリル・ストリープ、ケイトブランシェットあたりがうまいのは当然だし全くダメなところ無し。ティモシーシャラメも無駄遣いなくらいの使い方。だがなんと言ってもIT企業バッシュのCEOがうまい!誰だこれ⁉︎アメリカ的な推しの強いオレ様CEOでもなく早口で捲し立てるタイプでもなく真逆でいながら完璧にいやなCEO像を演じてる。

人は信じたいことを信じる。
最後の方舟は一人残らず白人。

いろんなことを言う人がいるし保証する人もいるけど最後自分の人生に責任を取れるのは自分だけ。
やすひろさん

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