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ナイト・ウォッチャーのRのネタバレレビュー・内容・結末

ナイト・ウォッチャー(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2020年のアメリカの作品。

監督は「ジーア/悲劇のスーパーモデル」のマイケル・クリストファー。

あらすじ

マーサー・ホテルで働くフロントのバート・ブロムリー(タイ・シェリダン「ヴォイジャー」)は自閉症スペクトラムを抱えていたため、コミュニケーション能力を改善するため、秘密裏にホテルの部屋に監視カメラを設置し、宿泊客の様子を観察していた。ある日、チェックインした女性の動向を自室で伺っていたバートは何者かにその女性客が殴られる映像を目撃、すぐさま現場に赴くと、その女性は何者かに殺されていた。

アマプラにて、ちょっと気になっていたので鑑賞。

どう正確に位置付けされているかはわからないが、いわゆる「目撃者もの」。

「裏窓」とかNetflixの「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」とかの類です。

この手の作品は秘密裏に他者の生活風景を目撃、その中でその人しか知らない「秘密」を偶然知ってしまったことで巻き起こる「サスペンス」がたまらない系譜の作品なわけなんだけど、本作のお話的に面白いところが主人公バートが自閉症スペクトラムという点。

冒頭からホテルのオーナーだったり、同僚と話す時も目線が定まらないし、会話もチグハグしている部分からもわかるんだけど、バート自身は自身の「特性」を受け入れてちゃんと社会人としてフロントで働いているし、社会で生活するために「努力」している。

まぁ、その「努力」ってのが監視カメラで勝手にお客の会話の流れを勉強するっていう、もう完全にアウトな行為なわけなんだけど、まぁ、コミュニケーションを学ぶという意義はあるわけで褒められた行為ではないが、バートの純粋な探究心と共に一概に「悪」とは言えない行為なのかなぁ…後半までは。

で、そこで犯罪行為を目撃して、現場に向かうも時すでに遅し、宿泊客の女性は殺されてしまうんだけど、同僚が駆けつけたときにはバートは血まみれの現場で女性を抱えていたことで、最重要容疑者として連行されてしまう。

アリバイも不十分、バートのことを擁護しているのかそうではないのかわからない同僚の証言によって、刑事のジョン・レグイザモ(
「ウィン・ハンドマン-名優を育てる演技指導-」)にも怪しがられてしまうわけなんだけど、当のバートはその後なんとか釈放され、職場こそ少し変わってしまうもののそこまで影響されず生活していく。

ただ、その中で宿泊客として出会うのが、あのみんな大好きアナ・デ・アルマス(「ブロンド」)演じるアンドレア。

まあ〜、この子がまた魅力的というかめちゃくちゃいい人で、どうやら自身の弟も自閉症だったらしく、その弟と育めなかった関係性の罪滅ぼしもあってか、たちまちバートと仲を深めるんだけど、やはりそれをあのアナが演じているからマジで常人なら誰でもイチコロ。

特に夜のプールサイドのシーン。マッパで泳いでいたところをバートに目撃(パイ乙セクシー!!)、他の人なら激ギレされるところをちょっと怒るくらいにとどめて、その後もバートに急にキスされても優しく受け止める。

いや、羨ましいー!!そりゃバートも惚れるわ。

その後も、仲を深めてなかなかいい感じになっていくことで、それまでクルクルパーマで、身なりもあまり気にしなかったバートが身なりを整えるところとか見ていて微笑ましいw

ただ、そんな「甘い時」は長くは続かない。どうやら不倫関係にあったアンドレアの「蜜月」を目撃してしまったバートは自室に引きこもってしまう。

しかし、そこは「優しい人」アンドレア。そんなバートの自室に赴き、慰めたりともはや完全にホテルマンとお客の関係性を飛び越える関係性に。

ただ、冒頭に殺されてしまった女性客とアンドレアが不倫している相手の顔が見えないことで、サスペンスとしてなんとなくいやな予感がしていると…なるほどそうなっていくわけか。

ただ、終盤これ完全なるバッドエンドじゃね?と思っていると意外とスルスルと元鞘に収まって、捕まえられるべき相手が逮捕されるラストに関しては、「やだみ」は残るものの、バッドエンドの方が作品としてのインパクトはあったんじゃないかな?ひよったんかなw

ただ、終盤アンドレアとベッドを共にするシーンで、夢の中では会話も目線もちゃんと定まって、アンドレアと愛を交わすシーンは夢の中で、現実ではそうならないからこそシーンとして美しくもあり、そして哀しくもある。

もうちょっとってところの惜しい作品ではあるものの、アナの相変わらずのセクシー具合悪くと意外にハマっていたシェリダンの演技もあってなかなか面白味もある作品でした。
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