はさみのり

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のはさみのりのレビュー・感想・評価

4.0
所はフランス🇫🇷
作品は、無認可施設の話。
役人は"閉鎖だ""無資格でしょ"と言いに来る。
でもそこの人達、
役人達よりずーっと誠意があって、
アツーくて、いい人達なんだよね。
"頭でっかちで動けない有資格者"より
"心ある動ける無資格者"の方が良いし👍

実話との事で、福祉に携わる者としては
パイセン達の歩みを焼き付けたい思いで観た。

その当時、自宅でみれない障害児、特に
重度の知的障害児の受け入れとなると、
病院や施設には違いないが、
投薬で鎮静させたり、身体拘束する事等が
主な手立てだった。
意味不明の単独行動や、奇声や自傷行為など、
意思疎通が難しい為に、
自分を表現する事もスムーズにいかず、
そういった奇行に出てしまう。
障害者本人としても本来なら
原因や意味があっての行動だろうが、
思いが移り変わるので脈略無く見えるし
不明な言動は目の当たりにすると恐怖にも感じる。
そんな重度の知的障害児を受け入れ、
人として心から関われる施設を運営している。
そうした日々の積み重ねで、
やがて自傷行為が無くなったり、
奇行の数が減っていく様になる。
いや、これは本当に
信頼関係をしっかり築いた上で、
ほんの少しずつ改善されていくのだけど。

薬や力で封じ込めようとしても
そこには人権なんて無い。
それまでの公立の機関は
そういった人権無視だったから、
たとえ無認可でも、
誠意と真心を持って
受け入れてくれるこの施設を
家族らは駆け込み寺の様に利用している。
彼等にとって必要な場所なのだ。

そういう役人とのやり取りが続けられ
ようやく2017年に"認可"されたと。

え⁈遅くない⁈
つい最近の話やん、とびっくりしてしまった。
けど、
この認識レベルな地域が、
まだまだ世界中のどこにも、
勿論国内でも地域によっては
沢山あるだろうと思われ😭

"障害者と関わる"という特別感こそが、
一般人にとって対岸の火事にしてしまってる事実。
障害者の家族も勿論当事者も突然そうなってしまうんだ。みんな"まさか"て思いながら関係者になる。だから"あちらの事"では無いんだけどね。
はさみのり

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