これコメディなの???めちゃくちゃ社会派な映画だと思ったけど。ポスターとの温度差ありすぎ案件でもある。そんなポップなコメディ映画じゃなかったやろ。
という初手の感想はありつつ、面白いとかではないけど、良い映画だった。
見始めはテーマに苦手意識がありすぎて、うわ…外れ映画引いてしまったか…と思ったんだけど、目を逸らしてはいけないという気持ちにさせられる映像の力。
この映画見る前と後じゃ見える世界が少し違ってくる。見る前の私みたいな「障害者に見向きもしない人」に、ぜひ見てほしい。
障害者の人たちがブリュノや支援員や家族に支えられ見守られながら活き活きと生きる姿に胸を打たれたし、彼らはほんとにグラデーションでできることもあれば苦手なこともあるんだな、と。障害も個性だと聞いたことがあるけれど、その考え方が当たり前な、専門家じゃなくても障害者の人たちを見守れるような優しい世界になればいいのになと思った。
監査の調査員に「一人残らず引き取ってくれ!」と詰めるブリュノが真理すぎた。返す言葉を失う調査員たちにざまぁみろと思ったけど、本当は正義の声や寄港みたいな組織はなくなったほうがよくて、それは行政がやるべきことなんだよなぁ。結局、組織は特例的に存在を許されるという。行政の限界、現実の厳しさに苦しくなるね。