まつけん

空白のまつけんのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
4.1
空白 2021年日本 107分

日本映画もすげぇぞ!って再確認。
久々に観た邦画で、震えた。
ストーリーは正直単純で、完全に演技が全てだったと思います。
怒れる、イカれる被害者(何をもって被害者とするかはありますが)の父が古田新太に適役。ちょっと切り替わりのタイミングが極端な気もしたけど…
そんでもって寺島しのぶみたいな人が一番怖い。
松坂桃李は、もう少し役柄としては頑張って欲しいところでしたが、多くを語らず心が病んでいく演技がピッタリ。
個人的には、とあるお母さんの言葉の強さが完全に最高潮だった。めっちゃ鳥肌立つところ。そして、そこが節目になって起承転結の結がスタートした感じ。
娘は万引きをしたのかしてないのか、店長は何かしたのかしてないのか、娘は虐められていたのか虐められてないのか、運転手は許されるのか許されないのか、ボランティアは偽善なのか違うのか、YESorNOでは分からないことだらけ。被害者は一体誰?人によって捉え方も価値観も見え方も違う。

最近ハマってる韓国映画は演技とストーリー展開の素晴らしさがあるけど、日本映画は人の心の移り変わりを軸にしてて、それを演者が最高の演技で魅せた時は圧巻ですね!(それだけじゃもちろんないですが)

パッケージが、変なインパクトがあるためか、贖罪の王様みたいに軽く感じてたけど重厚ですので悪しからず!

----ストーリー----
女子高生の万引き未遂の現場を見た店長(松坂桃李)が事務所に引っ張っていったが逃げ出した。万引きに悩むスーパーも逃げた女子高生を追っかける。不運なことに事故に巻き込まれて帰らぬ人に。果たして店長の行き過ぎた行為なのか、そもそも娘は万引きしていたのか、あまり育児に関心のなかった父(古田新太)は気性が荒い漁師。思い込みも強めで真実を暴こうとする。
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