いずみ

空白のいずみのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
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出てくる人皆「ああ、こういう人いるよなあ…」ってなる。中でも寺島しのぶの役が絶妙なところを表現していて最高。被害者、加害者、先生、生徒、仕事仲間達…。ひとりの中学生の死をきっかけに話しが進んでいく。対人関係について考えさせられるシーンが多い。私は観ていく中でそれぞれの登場人物に親近感を覚えることもあってなんとも言えない感情になった。
唯一声を出して笑ったのが、映画後半の絵を描き始めるシーン。藤原季節との掛け合いに少し心が緩む。皆苦しそうにしている映画だからこそ、観ていて緊張が解ける描写はより一層印象に残る。
この映画は普段淡々と生きている私に“逃げたくなる苦しさ“を疑似体験させてくれた。じわじわ追い詰められるような、現実世界では味わいたくない苦しさ。でも本当に観て良かった。
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