"今は全部が苦しいんです"
愛娘を失い暴走する父親とそれに関わる全ての人間のモラルが試される衝撃作。
誰しも加害者であり被害者である。
ただ認めたくない、赦したくない、逃げ出したい…様々な心情がセリフ一つ一つに込められていてそれを丁寧に演じ切っているキャスト陣が印象的✨それぞれのキャラクターのバックボーンを知る事でより没入できた✨
一つの事故によって生まれた"空白"
時間だったり、心だったり埋まらない空白が見ていてツラい(⌯︎˃̶᷄ᗝ˂̶̥᷅⌯︎)
父親の怒りのぶつけ方にしても店長の煮え切らない言動とか正義をかざして相手にも厚かましくそれを強要してしまうパートさんにしても、うわ〜💦って思ってしまったが"実際その立場だったら"と考えたら…。正直ぐぅの音も出ない。
メディアの報道の仕方とか、トラックの運転手の人全然フューチャーされてないけどいいの？みたいな違和感はあるものの今作の魅力としてはそこではなくて倫理感なのかなと深く考えさせられた⭐︎
万引き未遂、いや未遂までもいっていない。
そして店長もするべき事をした、それは間違ってない。父親の急逝した娘を受け入れられない気持ちも分かる。
この作品に確実な"悪"がないのに白黒つけようとするから対立が対立を生み空白が埋まらない。
割合的に父親目線からの動きが占めますが、序盤と後半で見え方が変わります。そこもとても良かった✨どういう性格で娘とどう向き合っていたか、どうしたいのか。
あのとある人物の葬儀のシーンが初めて冷静になれた瞬間だったと思います。このシーンは私の映画人生の中でもかなり衝撃的であり素晴らしすぎでした(´∩ω∩｀)
今は無理でも赦し合って空白だったキャンパスに少しずつ色をつけていけますように✨
